なぜ人は脂肪を貯めるのか?体のひみつ

「体脂肪」と聞くと、多くの人はネガティブなイメージを持つかもしれません。特に40代〜50代の女性にとって、年齢とともに落ちにくくなる脂肪は悩みの種。でも実は、脂肪は私たちの体にとって、ただの“厄介者”ではありません。
脂肪は「生き抜くため」の貯金だった
そもそも、人間の体は“飢え”に備えて進化してきました。私たちの祖先が狩猟をしていた時代、食事は不定期で、いつ食べられるか分からない生活が続いていたのです。そんな環境下では、体に脂肪をためておくことは「命をつなぐ保険」のような役割を果たしていました。
脂肪は1gで9kcalという非常に効率のよいエネルギー源。食べられない日が続いても、脂肪を分解することで必要なエネルギーを確保し、生き延びることができたのです。
脂肪は“守ってくれる”存在でもある
脂肪の役割はエネルギー貯蔵だけではありません。たとえば内臓脂肪は、臓器を物理的に保護するクッションのような役割を果たしています。また、皮下脂肪は体温を一定に保ち、寒さから身を守る大切なバリアでもあるのです。
さらに女性にとって脂肪は、女性ホルモンのバランスを維持するうえで重要な役割を持っています。体脂肪が極端に少なくなると生理が止まってしまうのは、まさにその証拠です。
現代人の体は、今でも「飢え」に備えている
問題は、私たちの生活環境が変わったにも関わらず、体の仕組みは昔のままだということ。現代は食べ物に困ることが少なく、むしろいつでも高カロリーな食事が取れる時代。にも関わらず、体は「次にいつ食べられるか分からない」という旧式のモードで脂肪をため込もうとするのです。
そのため、極端な食事制限や急激なダイエットをすると、体は「飢餓状態」と勘違いし、脂肪を余計に溜め込もうとするという、皮肉な結果を生んでしまうのです。
脂肪燃焼には筋肉と回復がカギ
効率よく脂肪を燃やすためには、ただ食べる量を減らすだけでは不十分です。筋トレによって筋肉量を増やすことで、基礎代謝を高め、日常生活でもより多くのエネルギーを消費できる体になります。
また、意外と見落とされがちなのが「回復」の重要性。十分な睡眠や休養がとれていないと、ストレスホルモンであるコルチゾールが増加し、脂肪の燃焼を妨げてしまいます。過度な有酸素運動も、筋肉を削り代謝を落とす原因になるので要注意です。
「脂肪を悪者にしすぎない」ことも大事
脂肪は、生きるための知恵が詰まったエネルギーの貯金箱。敵と見なすのではなく、「どううまく付き合うか」が現代人にとっての課題なのです。
筋トレ・食事・回復のバランスをとりながら、自分の体と丁寧に向き合っていくことが、健康的に脂肪をコントロールする第一歩になります。
奈良市ヤマムラパーソナルジム
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