現状維持バイアスを上手に使い、いい習慣を身につける

「やらなきゃ」と思っていても、なかなか行動に移せない。40代の女性からよく聞くお悩みです。運動や食生活の改善、睡眠リズムの見直しなど、体のために必要だと分かっていても続かないことは多いですよね。その理由の一つに「現状維持バイアス」という心理が関係しています。
現状維持バイアスとは?
人は変化するよりも、今の状態を維持しようとする傾向があります。これを心理学では「現状維持バイアス」と呼びます。
たとえば、
- つい同じ道を通って帰る
- 毎日ほぼ同じ時間にテレビを見る
- 食事のメニューがワンパターンになる
これらも無意識のうちに「現状のほうが安心」と脳が判断しているからです。面倒なように見えても、私たちの脳にとって「変わらないこと」こそが楽なのです。
悪い習慣も続きやすい理由
このバイアスの厄介なところは、体に良くない習慣も守りやすい点です。
「夜更かししてスマホを見る」「ついお菓子を食べる」なども、実は脳が“いつも通り”を好むせいで無意識に繰り返されてしまいます。だからこそ、ただ「やめよう」と意志の力だけで対抗するのは難しいのです。
バイアスを逆手にとる
ここでポイントになるのが、「現状維持バイアスを悪者にしない」こと。むしろ逆に利用すれば、良い習慣は自動的に続けやすくなります。
たとえば、
- 朝起きたらまず白湯を一杯飲む
- 歯磨きのあとにスクワットを5回する
- 夜のスマホをベッドから離れた場所に置く
最初は小さな行動でも、繰り返すことで「それをやらないと落ち着かない」状態が作られます。気づけば、それが“いつもの習慣”に変わっているのです。ここでも「現状維持バイアス」が働き、やめる方が難しくなります。
コツは「小さく始める」
40代の女性は、仕事や家庭の役割で忙しく、自分だけの時間をまとめて取るのが難しい時期です。だからこそ習慣化の第一歩は「小さく始める」こと。
「毎日1時間ジムに行く!」よりも、「1日3分ストレッチする」の方がずっと続けやすい。小さな成功体験を積み重ねることで、現状維持バイアスは味方になり、習慣は自然に生活に溶け込んでいきます。
友達に話したくなる小ネタ
心理学者の研究では、人は「一度習慣になった行動は、約66日で自動化する」と言われています。つまり、最初の2か月だけ工夫して続けられれば、その後は“続けない方が違和感”になるのです。この数字、ちょっとドヤ顔で友達に話せそうじゃないですか?
まとめ
現状維持バイアスは、一見「変われない理由」に思えるかもしれません。しかし、上手に使えば“変わりたい自分”を支える強力な味方になります。小さな一歩を習慣にして、未来の自分を心地よい“現状”に変えていきましょう。
奈良市ヤマムラパーソナルジム
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